風が頬を撫でていくほんの一瞬、束の間の心模様を切り取って紡いだエッセイ。

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カタチなきもの

 

夢の世界を反芻できる幸せ。

水中から光を眺めながら浸り続けることで
与えらるのは一瞬の安寧。

幻の世界に引きずり込まれていく
容易い現実逃避。

求める限り甘い蜜は与えられるけれど
それはいつまでも「幸せ」を成しているのか。

どれだけ目を背け続けても
幻であるという事実がぺたりと貼りついたまま
ずっと傍にある。

けれど最初から味わうことさえ拒んでしまえば
何もせずして虚しさに包まれる。

「所詮、夢なのだ」と切り捨ててしまえば
与えられるものなどなくなる。

手の中にあるものだけが幸せに届くのか
手に入らなければ不幸なのか。

夢の世界に身を投じて溺れ続ける幸せは
それを上回る不幸に飲み込まれてしまうのか。

カタチなきものの形を追い求めるのは
尽きることのない欲望。

許しを求めながら焦がれる。

Category : essay

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