風が頬を撫でていくほんの一瞬、束の間の心模様を切り取って紡いだエッセイ。

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闇に溶ける月

 

今宵の月は闇の雲間に在って

どろりと溶けているかのような

危うげな輪郭だった。

 

うねりの僅かな隙間から

時折ちらりとその姿を現す。

 

月齢12。

 

満ちる時を待たずして零れていく

力強さと艶めき。

 

己の力で輝くことはできないのに

燃ゆる命のような橙を纏う

その不安定な様が魅力的だった。

Category : essay

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